依水園(いすいえん)

前園は江戸時代(延宝年間)に、後園は明治時代に作庭されており、創始を異にする二つの庭園を水流でつなぎ、あわせて依水園と称する。東大寺南大門の屋根や若草山、春日山、御蓋山の三山を借景として取り入れたすぐれた庭園。


文化財種別:名勝

〒630-8208
奈良県奈良市水門町74
Tel:0742-25-0781

ホームページ:www.isuien.or.jp


 東大寺南大門の西、吉城川の北側にある。前園は江戸時代(延宝年間)に、後園は明治時代に作庭された。創建時を異にする二つの庭園は水の流れでつながり、併せて「依水園」と称される。
 前園は、奈良の晒業者、清須美氏の別業三秀園の遺構を整備したもので、後園は奈良の富商、関藤次郎のときに作られ、若草山、東大寺南大門、春日山や御蓋山を借景としている。ほかに飛石、沢渡には伽藍石、挽臼石などが用いられ、サツキやオカメザサなどが植栽されるなど、全般に明治らしい特色のよく表れた庭園となっている。二つの庭園からなる依水園は奈良を代表する池泉回遊式庭園である。
 なお、園内には「寧楽美術館」があり、古代中国の青銅器や朝鮮の高麗・李朝の磁器、日本の茶道具などが所蔵、展示されている。