養翠園(ようすいえん)

和歌山市の西南方、大浦湾に接する紀州藩水軒御用地の一部に、文政年間、第10代紀州藩主徳川治宝が営んだ別邸。クロマツを主にアカマツ、ツバキ、モクセイ、ウバメガシ等が植栽された約33,000㎡におよぶ大名庭園。庭園には海水を取り入れた汐入りの池がある。


文化財種別:名勝

〒641-0036
和歌山県和歌山市西浜1164
Tel:073-444-1430

ホームページ:www2.odn.ne.jp/cap99810/index.htm


 和歌山市の西南方、大浦湾に接する紀州藩水軒御用地の一部に、文政年間、第10代紀州藩主徳川治宝が営んだ別邸で、庭園の広さは33,000㎡におよぶ。
 庭園の地割の主体は東西に長く広い池で、池の西部に書院や茶席が配置されている。池は海水を取り入れた汐入りの池で、ゆるやかに屈曲し、池の西北隅に立石を置き、中央からやや東寄りに中島が置かれている。中島には弁財天、稲荷社が祀られており、中島へは北岸から鍵形に西湖堤で、南岸から反橋で結ばれている。池の南岸には時雨亭跡があり、西方には舟蔵跡、八千代亭跡、馬場跡がある。背後には庭園と水軒川との境をなす土塁状の堤があり、堤には、海水を池に導く2つの樋門が設けられている。
 園の周囲はクロマツを主に、アカマツ、ツバキ、モクセイ、ウバメガシ等が植栽され、園外にある章魚頭姿山、焼山の背景を自然につなげている。