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柴屋寺庭園(さいおくじていえん)

柴屋寺は今川氏に仕えた連歌師宗長が晩年に結んだ草庵。その庭園は宗長の自作である。 庭園は昭和11(1936)年に国の名勝・史跡に指定され、次いで昭和31(1956)年に、寺裏の山林や借景として欠かせない天柱山を保護するため、 滝囲いと表門一帯が追加指定された。


文化財種別:史跡・名勝

〒421-0103
静岡県静岡市駿河区丸子3316
Tel:054-259-3686


 柴屋寺は今川氏に仕えた連歌師宗長が晩年に結んだ草庵「柴屋軒」を、今川氏親が寺に改めたと伝えられる。天柱山柴屋寺の別名を吐月峰柴屋寺ともいう。
庭園は宗長の作庭であることが、彼の手記に記されている。本堂の西側は、平地になっており、そこに小さめの池を掘って、東北側に湧き出る清水から引き込んだ水で満たしている。
池畔には、様々な樹木が植栽され、変化に富んだ立石が配置されている。庭の前方、西に聳える天柱山を借景としている。
 宗長が腰かけて昇る月を眺めたという月見石があり、その後ろには、宗長の師である宗祇と宗長の墓が並んでいる。
 庭園は、昭和11(1936)年に史跡・名勝に指定されていたが、「吐月峰」周辺の環境の変化から、寺後方の竹林や、借景にかかせない天柱山を保護するため、昭和31(1956)年に滝囲いと表門一帯が追加指定された。

龍潭寺庭園(りょうたんじていえん)

行基が開いたと伝えられる名刹、龍潭寺本堂の北の庭園。庭園は江戸時代初期、小堀遠州によって作庭されたといわれ、寺院庭園として代表的な庭園。地元で産するチャートを使い、数多くの石組みと築山全体で鶴亀が表現されている


文化財種別:名勝

〒431-2212
静岡県浜松市北区引佐町井伊谷1989
Tel:053-542-0480

ホームページ:www.ryotanji.com


 奈良時代に行基が開いたと伝えられる名刹、龍潭寺本堂の北にある庭園は、江戸時代初期、小堀遠州によって作庭されたといわれる代表的な寺院庭園である。
 庭を正面から眺めると、まず中央に心字池が造られており、対岸はなだらかな起伏の築山になっている。築山には地元で産出する堆積岩のチャートを使った様々な石組みが配されて、全体で鶴と亀を表している。築山中央の中腹には、守護石が置かれ、池の左右に仁王に見立てた立石「仁王石」が置かれている。池手前の畔には、対岸の守護石に相対するように平らな礼拝石が据えられている。石組みの間には数多くのサツキが植えられ、庭を囲む木々とともに季節ごとに異なった風情を作り出している。龍潭寺には本堂の南面に枯山水の庭園も造られている。こちらは浜名湖を表現した補陀落の庭である。

臨済寺庭園(りんざいじていえん)

臨済宗妙心寺派の禅寺で今川家の菩提寺であった。天正年間に徳川家康が伽藍を再建する際に築庭されたといわれる。賤機山(しずはたやま)の斜面を利用した、3段造の池泉観賞式の庭園。建造物と庭園内は春・秋の年2日、特別公開が行われる以外は非公開。


文化財種別:名勝

〒420-0885
静岡県静岡市葵区大岩町7番1号
Tel:054-245-2740


 臨済寺は、今川義元の兄氏輝の菩提寺で、義元の軍師太原雪斎長老が、大休禅師を迎えて開山した臨済宗妙心寺派の禅寺であり、庭は天正年間に徳川家康が伽藍を再建する際に築庭されたといわれる。寺院背後の山の斜面を利用した、3段造の池泉観賞式の庭園である。
 建物の北側に借景となっている賤機山の山すその斜面を利用して築庭している。崖上からの水を渓谷風に落とし、東側の一段高くなっている大書院の前の池に引き入れている。東側の池から溢れた水は、西側の池へと滝流れとなって池を満たす。
主としてアカマツ、ラカンマキ、ゴヨウマツ、ソテツが植えられ、これら主要木の間に低木のサツキが植えられているほか、岩磐にはイワヒバが群生する。