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旧赤穂城庭園(きゅうあこうじょうていえん)

赤穂城の本丸と二之丸に造られた大名庭園で、ともに千種川上流から取水した上水道の潤沢な水を引き込んだ池泉を持つ。発掘調査によって見つかった本丸と二之丸の庭園が一体となって保存された貴重な例であり、現在は発掘遺構を修復して復元整備が行われている。


文化財種別:名勝

〒678-0235
兵庫県赤穂市上仮屋1番地
Tel:0791-43-6962

ホームページ:www.ako-hyg.ed.jp/bunkazai/akojo/index.html


 旧赤穂城庭園は本丸庭園と二之丸庭園が一体となって保存された大名庭園。本丸庭園は、御殿南面の大池泉、中奥坪庭の小池泉、本丸北西隅の池泉が設けられている。大池泉は岬・入江・中島・景石などを配し、池底に板石や瓦を幾何学的に並べ、砂利を敷くなどの化粧が施されている。中奥坪庭の小池泉は、東西に並んだ二つの小池で構成され、池の水は暗渠で大池泉へとつながっている。北西隅の池泉は汀線に礫石を敷きつめる素掘りの池泉で楕円形を呈している。二之丸庭園は、広い池泉からなる大規模な庭園で、屋敷に近い部分が流れの池泉であるのに対し、南西部は水深が深く舟遊びが可能な雄大な空間となっている。
 赤穂では、千種川上流から取水した水を城内と城下町の各戸へ給水しており、この上水は城内の池泉へも供給されていた。

田淵氏庭園(たぶちしていえん)

製塩業を中心に、赤穂の資産家として財を成した田淵氏の住宅庭園。邸は赤穂御崎の三崎山の麓に位置し、庭は居宅の背後に続く斜面の中腹にかけて作られている。庭園は上部に明遠楼、中腹に春陰斎、下部に書院と池庭が配置されている。


文化財種別:名勝

〒678-0215
兵庫県赤穂市御崎329番地1
Tel:0791-42-2225


 製塩業を中心に、赤穂の資産家として財を成した田淵氏の住宅庭園である。屋敷は赤穂御崎の三崎山の麓に位置し、庭は居宅の背後に続く斜面の中腹にかけて作られている。
表門から主屋の玄関へと至る導入部は、飛石沿いに坪庭風の庭園が展開し、書院の背面に岩盤をえぐり削って造られた池がある。池の周囲に植えられた樹々のなかにソテツが数多くあり、その下にツワブキが点々と植えられている。その様子から庭園のある地が温暖であることがよくわかる。池の対岸には傾斜面があり、約4mの滝石組が配されている。対して右には石橋が架かっており、それを渡って斜面の上に至る。傾斜が緩やかになるあたりで、右側に二階建の明遠楼が現れる。明遠楼の対面に巡らされた木塀には、「中潜り」が設けられており、それを抜けると茶室、春陰齋とその内露地にたどり着く。

安養院庭園(あんよういんていえん)

天台宗太山寺の子院安養院の書院の庭園。太山寺の原生林を借景として、雄大さを兼ね備えた庭園。作庭様式と石組手法には桃山時代の特色がよく表われている。借景となっている原生林は、環境省の重要地域「区域の生物学的特性を示す生態系」に指定されている。


文化財種別:名勝

〒651-2108
兵庫県神戸市西区伊川谷町前開258
Tel:078-974-0408


 天台宗太山寺の子院安養院の書院の庭であり、太山寺の原生林を借景として、雄大さを兼ね備えた枯山水の庭園である。
正面に巨石を三尊石風に立て、これを中心に鶴島、亀島の石を組み、その間を谷とし、谷の奥には蓬莱山風に石を組んでいる。
数多くの巨石を使用した枯山水庭園であるが、いわゆる枯山水庭園に見られる砂庭式枯山水庭園とは趣きを異にした庭園となっている。太山寺は、平安時代に創建されたが、たびたび火災に見舞われ、安養院も作庭年代や作者等を明らかにできる史料は失われている。作庭様式と石組手法には桃山時代の特色が表れており、その頃の作庭であることが推察できる。
 借景となっている原生林は、環境省の重要地域「区域の生物学的特性を示す生態系」に指定されている。