安養院庭園(あんよういんていえん)

天台宗太山寺の子院安養院の書院の庭園。太山寺の原生林を借景として、雄大さを兼ね備えた庭園。作庭様式と石組手法には桃山時代の特色がよく表われている。借景となっている原生林は、環境省の重要地域「区域の生物学的特性を示す生態系」に指定されている。


文化財種別:名勝

〒651-2108
兵庫県神戸市西区伊川谷町前開258
Tel:078-974-0408


 天台宗太山寺の子院安養院の書院の庭であり、太山寺の原生林を借景として、雄大さを兼ね備えた枯山水の庭園である。
正面に巨石を三尊石風に立て、これを中心に鶴島、亀島の石を組み、その間を谷とし、谷の奥には蓬莱山風に石を組んでいる。
数多くの巨石を使用した枯山水庭園であるが、いわゆる枯山水庭園に見られる砂庭式枯山水庭園とは趣きを異にした庭園となっている。太山寺は、平安時代に創建されたが、たびたび火災に見舞われ、安養院も作庭年代や作者等を明らかにできる史料は失われている。作庭様式と石組手法には桃山時代の特色が表れており、その頃の作庭であることが推察できる。
 借景となっている原生林は、環境省の重要地域「区域の生物学的特性を示す生態系」に指定されている。