曹洞宗の寺院、青岸寺の庭園。江戸時代初期に三世興欣が、彦根城の玄宮園、楽々園を築いた香取氏に作庭させたとされる。本堂裏手にあり、うっそうと茂る裏山を背景に、山腹を利用して築かれた庭園。
文化財種別:名勝
〒521-0012
滋賀県米原市米原669
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曹洞宗の寺院、青岸寺の庭園。南北朝時代の初め(延文年間)に、近江源氏の佐々木京極道誉が自ら書写した法華経八巻を納めて米泉寺を建てたのがはじまりである。その後、永正年間の戦火により寺院のほとんどを焼失し、150年余りを経た江戸時代、慶安3(1650)年に再興され青岸寺となった。
庭園は本堂裏手にあり、うっそうと茂る裏山を背景に、山腹を利用して築かれており、太尾山山麓の地形を利用した回遊式枯山水庭園で、空池を設け、石橋を架けて蓬莱島を作り、右手奥には枯滝を組んでいる。庫裏の前に建つ石灯籠は茶人好みの寄せ灯籠で庭に一段の景を添える。江戸時代初期に三世興欣和尚が、彦根城の玄宮園、楽々園を築いた香取氏に命じて延宝6(1678)年に作庭させたとされる。
青岸寺庭園では、枯山水の流れや池に小石や白砂を用いるかわりにスギゴケを用いて、水の流れが表現されており、雨のあとはスギゴケに染み込んだ水が伏流水のように湧いて出て本物の池へと姿を変える。そのため雨上がりの景色は格別となる。