總光寺庭園(そうこうじていえん)

本堂と庫裡書院から観賞するように築山と池泉を配置した築山林泉庭。 東の山頂に「峰の薬師堂」、山間に「中の薬師堂」が望まれ、不老の滝からの清流が波分け石を経て池泉に注いでいる。 1996年に国の名勝に指定され、「蓬莱園」と呼ばれる。


文化財種別:名勝 

〒999-6831
山形県酒田市字総光寺沢8
Tel:0234-62-2170

ホームページ:www.sokoji-sakata.com


 總光寺は、南北朝時代に高僧月庵良圓禅師が、峰の頂に薬師仏一体を祀って開山したのが始まりと伝わる曹洞宗の禅宗寺院である。
 境内は正面を西向きにされ、庭園は、本堂と庫裡の裏側に造られた築山林泉庭である。書院から庭を望むと、左手の最上段に滝石組が組まれて水を落とし、中央の築山脇を流れて池に注ぐ。池には平坦な中島が設けられて、池水が南西の隅から庫裏脇に落とされている。書院から庭に出ると、池の護岸石から五つの臼石の沢飛石を伝って中島に渡れる。中島の南北両端に大振りの石が据えられている。中島と池の東岸は近く一石の橋が架けられている。対岸に渡ってからは、斜め上方に疎らに飛石を打ち、左手の築山奥の草地へと続く回遊路でもある。
 江戸時代後期に完成した典型的な日本庭園であり、風格のある禅宗寺院の庭園である。