本間氏別邸庭園(鶴舞園)(ほんましべっていていえん(かくぶえん))

本間家四代・光道が築造した池泉廻遊式庭園。主屋の2階から鳥海山を借景として地形の変化に富んだ池泉庭園の全景を俯瞰することができる。藩主酒井氏は秀麗な鳥海山を望む建物に「清遠閣(せいえんかく)」と名付けたほか、池の中島の松に鶴が飛んできたことから、「鶴舞園」と名付けた。


文化財種別:名勝 

〒998-0024
山形県酒田市御成町7−7
公益財団法人 本間美術館
Tel:0234-24-4311

ホームページ:www.homma-museum.or.jp


 本間氏は、近世後期から近代にかけて日本海の海運業などを主軸に成長した豪商で東北三大地主として知られる。
 庭園のはじまりは江戸時代の文化10(1813)年に、庄内藩主・酒井忠器の領内巡検に先立って、本間氏の四代当主・本間光道が藩主の休憩所として別邸を構えたもの。その築造には、近世の港湾都市酒田を支えた荷役労働者の冬季における労働力を活用して造営した。
 庭園の様式は、主屋と池泉からなる回遊式庭園で、赤や青など色彩豊かな景石が用いられ、清遠閣の2階座敷からは,鳥海山を借景として地形の変化に富んだ池泉庭園の全景を俯瞰できる。巡検の際に来遊した藩主・酒井忠器は、鳥海山を望む建物に「清遠閣」と名付けた。また、池泉中島の松の木に鶴が舞い降りたことから、庭園に「鶴舞園」と名付けたといわれる。