金剛輪寺明壽院庭園(こんごうりんじみょうじゅいんていえん)

天台宗の古刹、金剛輪寺の本坊である明壽院の庭園。南庭、東庭、北庭の三区画が心字池で結ばれ、それぞれ桃山時代から江戸時代初期、中期にかけて作庭されたと考えられる。


文化財種別:名勝

〒529-1202
滋賀県愛荘町松尾寺874
Tel:0749-37-3211

ホームページ:http://www.kongourinji.jp/

 明壽院庭園は、南北およそ70メートルにわたり書院から山裾まで15メートルの間を折れ曲がりながら広がっていて、園内には護摩堂と茶室水雲閣がある。南庭は、明壽院の中門を入った正面にある緩やかな山辺を利用し、池の中央に板石三枚を使って巧みに橋を架け、その先には中世の宝篋印塔が配される。池の左上に建つ護摩堂は正徳元年(1711)に建立された。東庭は書院内仏殿の正面に広がり、山肌を巧みに利用した本庭園の中心である。正面に豪快な滝石組を配し、池には中島が作られる。その右側には池に高く張り出した茶室水雲閣が、天保年間に建てられて以来の優美な姿を見せている。北庭は東庭からさらに奥に向かって広がる位置にあり、滝石組の設けられた池には、悩める衆生を迷いの世界である此岸から、仏の覚りの世界である彼岸へ導き渡すかのように、舟石が配されている。また、植栽されたサツキやカエデ等の美しさとは別に、庭園全域にわたって上部に屹立するスギやヒノキ等の巨木群が、山岳密教寺院の厳粛かつ神秘的な雰囲気を漂わせている。