水前寺成趣園(すいぜんじじょうじゅえん)

湖に見立てた池には小島があり、列で配置された渡石の背後には、ゆるやかな起伏の築山が仕立てられている回遊式庭園。池の水は湧水であり渾々と清水が湧いている。園名の「成趣園」は、陶淵明の詩「帰去来辞」に由来する。


文化財種別:名勝・史跡

〒862-0956
熊本県熊本市中央区水前寺公園8−1
Tel:096-383-0074

ホームページ:www.suizenji.or.jp


 寛永9(1632)年肥後細川家初代藩主・細川忠利が鷹狩の折に、この地を気に入り、御茶屋を置いた。その後、三代藩主網利のときに庭園が完成した。庭園様式は回遊式庭園であり、陶淵明の詩「帰去来辞」より成趣園と命名された。
 庭園は、湖に見立てた池があり、小島が置かれている。列状に配置された渡石の背後には、ゆるやかな起伏が続く築山が仕立てられている。池の水は湧水であり渾々と清水が湧いている。
 元禄時代には、四阿も数多く造られて楽しまれたが、宝暦の改革で建物は酔月亭一つを残して撤去され、樹木も松を残すのみとなる。明治時代になり、版籍奉還で一時、官有地となった。
 園の北側には、細川藤孝・忠興以下歴代の藩主がまつられる出水神社がある。