頼久寺庭園(らいきゅうじていえん)

頼久寺書院南面の庭園。はるか正面の愛宕山を借景とし、鶴と亀の島を置いて石を組み、全面に白砂を敷く。頼久寺は、天保年間の大火によって焼失し、庭園も度々補修されているが、主要部には江戸時代初期の手法がみられ、すぐれた意匠を残している。


文化財種別:名勝

〒716-0016
岡山県高梁市頼久寺町18
Tel:0866-22-3516

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 暦応2(1339)年足利尊氏が安国寺として建立した禅寺頼久寺の書院南面の庭園であり、作庭家として有名な小堀遠州の初期の築庭と伝えられる蓬莱式枯山水庭。
庭園は、鶴と亀の島を置いて石を組み、全面に白砂を敷き、はるか正面の愛宕山を借景としている。書院左手にせまる山ぎわに、大株のサツキが植えられており、これが庭園の景色に得異な趣を加えている。このサツキの大刈込の手法は遠州独特のもので、この庭園においては大海の大波を表現しているとされる。頼久寺は天保年間の大火によってすべての伽藍が焼失し、明治維新の廃仏毀釈では、寺領を没収され、境内の大部分が失われている。庭園も度々補修されているが、主要部には江戸時代初期の手法がみられ、すぐれた意匠が残されている。