田淵氏庭園(たぶちしていえん)

製塩業を中心に、赤穂の資産家として財を成した田淵氏の住宅庭園。邸は赤穂御崎の三崎山の麓に位置し、庭は居宅の背後に続く斜面の中腹にかけて作られている。庭園は上部に明遠楼、中腹に春陰斎、下部に書院と池庭が配置されている。


文化財種別:名勝

〒678-0215
兵庫県赤穂市御崎329番地1
Tel:0791-42-2225


 製塩業を中心に、赤穂の資産家として財を成した田淵氏の住宅庭園である。屋敷は赤穂御崎の三崎山の麓に位置し、庭は居宅の背後に続く斜面の中腹にかけて作られている。
表門から主屋の玄関へと至る導入部は、飛石沿いに坪庭風の庭園が展開し、書院の背面に岩盤をえぐり削って造られた池がある。池の周囲に植えられた樹々のなかにソテツが数多くあり、その下にツワブキが点々と植えられている。その様子から庭園のある地が温暖であることがよくわかる。池の対岸には傾斜面があり、約4mの滝石組が配されている。対して右には石橋が架かっており、それを渡って斜面の上に至る。傾斜が緩やかになるあたりで、右側に二階建の明遠楼が現れる。明遠楼の対面に巡らされた木塀には、「中潜り」が設けられており、それを抜けると茶室、春陰齋とその内露地にたどり着く。