代々庄屋を務めた伊藤家の当主で、当時医業を営んだ伊藤助左衛門が、江戸享保年間前後に普及した庭園図本を基に作庭した。 作庭当初の姿をよくとどめていることから、鑑賞的価値だけでなく庭園史資料としても貴重な庭園である。
文化財種別:名勝
〒919-0113
福井県南条郡南越前町瀬戸29−2
ホームページ:www.town.minamiechizen.lg.jp/kurasi/103/128/p001179.html
江戸時代の中期から後期にかけて編纂され普及した作庭書「築山庭造伝」を基にして作庭された。造営したのは、代々庄屋を務めた伊藤家の10代当主で、当時医業を営んだ伊藤助左衛門。
背後の山林を借景に正面の築山に三尊石、前面に座禅石、右側には山腰石、左側に不動石が据えられている。築山の裾に造られた庭池に、出島や中島、舟石、石橋が配置されている。建物側の汀の中ほどに礼拝石、両端に二神石が配置されている。庭園の東にイチイの巨樹が茂るほか、カエデやシャクナゲ、サザンカなどが植えられた座視鑑賞の築山林泉式庭園である。
作庭当時の姿が残されているといわれ、私邸の庭園でありながら、作庭書に忠実に作庭されており、伝統的日本庭園のありようを見ることができる。