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尾崎氏庭園(おざきしていえん)

書院の東から南にかけて掘られた池を中心とした庭園。園外にある松山を借景として、瀧口、蓬莱島、池畔等の石組が整えられている。江戸時代初期庭園の遺風が保存されており伯耆地方における造庭術発達の跡を窺うことができる。


文化財種別:名勝

〒682-0701
鳥取県東伯郡湯梨浜町宇野1518
Tel:0858-35-2003


 尾崎家は江戸時代の鳥取藩で寺社や宗教行政の務めを担った宗旨庄屋や大庄屋を務めた家で、
5代目当主・清右衛門の時に現在の敷地に移り、本宅、御仏間、数棟の蔵、門長屋などを新築した。
 庭は、茅葺屋根の主屋の南東方向に造られており、東から南にかけて掘られた池を中心に、左手の入り込みに枯滝の石組が、三尊形式の配石で組まれている。また、手前右の角に自然石で造られた手水鉢が置かれている。池を挟んだ対岸にはクロマツやソテツの古木が際立っており、ほかにもサツキ、モッコクなど約30種類が植えられている。
江戸時代初期の庭園の遺風が保存されており、伯耆地方における造庭術発達の跡を窺うことができる。

正善院庭園(しょうぜんいんていえん)

三徳山三仏寺は標高900mの三徳山に境内を持つ山岳寺院で、正善院はその三院の1つ。方丈庭園と書院座敷に面した地泉式庭園とがある。書院座敷からの眺めは、庭の池を前景に、中景の樹林越しに文殊堂を借景として作庭されている。


文化財種別:登録記念物(名勝地関係) 

〒682-0132
鳥取県東伯郡三朝町三徳1013
Tel:0858-43-2668


 三徳山三仏寺は標高900mの三徳山に境内を持つ山岳寺院で、正善院はその三院の一つ。方丈庭園と書院座敷に面した池泉式庭園がある。
 方丈庭園は、斜面の傾斜を活かして3つの築山から構成されている。池庭には後背の山から引き込まれた水が滝となって落とされ、池に注いでいる。池には鶴と亀に見立てた中島と浮石が置かれている。池に面した書院座敷からの眺めは、池庭を前景に、中景の樹林越しに「文殊堂」を借景として作庭されている。
 三徳山の北斜面は非常に急峻で、斜面の多くが断崖絶壁となっている。山容は常緑広葉樹を主とした樹林でおおわれ、山全体が景勝のかなめとなっており、山岳寺院である三仏寺の建造物も重要な景観要素となっている。
 正善院の本堂は、2012年に火災で焼失するが、2015年より復元工事が始められている。

観音院庭園(かんのんいんていえん)

方丈の東南から西に低くなっている自然の傾斜を利用した築山と、その麓に庭の半分を占める池が配されている。滝の石組みや中島等は庭木とともに優美な景観が作られている。江戸時代後期の京都風庭園が地方化した適例の一つ。


文化財種別:名勝

〒680-0015
鳥取県鳥取市上町162
Tel:0857-24-5641


 観音院は鳥取藩池田家の祈願所8ヶ寺の1つで、藩主、池田光仲が十年をかけて築造させたといわれており、江戸時代後期に京都風庭園が地方化した庭の一つである。
方丈の東南から西に低くなっている自然の傾斜を加工して造られた築山と、その麓に庭の半分を占める池が掘られている。方丈から池を望むと築山後方の斜面へ樹林が続き、奥行きのある景色を見ることができる。池には、亀島、鶴島、滝などの石組みが元禄時代のままに配置されており、楕円形の低い中ノ島が浮かべられている。庭に植えられている植物は、地元に生育する野生種をうまく用いて美しい景観が造られている。春、桜の花が咲く時期は、地域の観光スポットになっている。
観音院の本尊である「聖観世音菩薩」は、祭壇を移るたびに大きな寺の本尊となったことから、「出世観音」の別名を持っている。