寛永12(1635)年に那谷寺の庫裏と同時に築造された。 西側の茶室如是庵から東側の小池にかけて飛石が配置され、所々に石が立てられ、北隅にシイの大木が立つほか、 東の池を挟んでスギの巨樹が高くそびえるなど老樹が鬱蒼と茂る。 景致幽邃の庭園。
文化財種別:名勝
〒923-0336
石川県小松市那谷町ユ122番地
Tel:0761-65-2111
那谷寺は養老元(717)年、泰澄大師が岩窟に千手観音を安置したのがはじまりと伝えられる真言宗の名刹であり、安土・桃山時代の火災のため衰退していたが、寛永12(1635)年に加賀三代藩主前田利常によって再建された。庭園は、那谷寺の庫裏と同時に築造されており、小堀遠洲の指導を仰ぎ、作庭奉行の分部ト斉に造らせたといわれる。
本庭は、書院裏から本堂の裏にかけての北庭で、北西隅にある茶室、如是庵から書院裏をつないで東部の池庭へと飛石が打たれ、ところどころに石が立てられている。書院の角、北東部に三尊石が組まれた配石があり、庭の主要な景観が構成されている。
北隅にシイの大木が立つほか、東の池を挟んでスギの巨樹が高くそびえるなど老樹が鬱蒼と茂っている。
小松を訪れた松尾芭蕉が那谷寺を参拝し、「石山の石より白し秋の風」の名句が残された。