作庭の年代は明らかでないが、江戸中期の作とみられている。 京都より遠州流庭師を招き構築された。 庭景の中心をなす池は心字型で築山に枯滝、州浜に石灯籠、北側に井戸囲いがほどよく配置され、江戸時代中期の庭園構成がよく保存されている。
文化財種別:名勝
〒959-3265
新潟県岩船郡関川村大字下関904
Tel:0254-64-1002
ホームページ:www.watanabetei.com
越後下関の豪商で豪農であった大庄屋の渡辺氏の邸宅の庭であり、東向きの庭で、心字池が中心に置かれている。南庭園の棟木に明和6(1769)年造立の墨書があることから、庭はこの頃の作とみられている。池の西に一の山、二の山、三の山と三つの築山が築かれている。一の山には不動石が立てられており、枯滝を表している。その対岸の池の東側は、玉石を敷き詰めて州浜が仕立てられており、数多くの庭石が組まれて、多数の飛石が配され、鶴と亀に見立てた植栽などが施されている。春の白梅、夏のカキツバタ、秋は紅葉、冬は墨絵のような雪景色と、四季折々に眺めを楽しむことができる。
庭の景色に趣を添える石灯籠と井戸囲いが程よく配置され、庭園の地割はいわゆる京都風となっている。
江戸時代中期の庭園構成がよく保存されており、地方への文化の浸透があらわれた例であり、日本庭園史にとって貴重とされる。