方丈の東南から西に低くなっている自然の傾斜を利用した築山と、その麓に庭の半分を占める池が配されている。滝の石組みや中島等は庭木とともに優美な景観が作られている。江戸時代後期の京都風庭園が地方化した適例の一つ。
文化財種別:名勝
〒680-0015
鳥取県鳥取市上町162
Tel:0857-24-5641
観音院は鳥取藩池田家の祈願所8ヶ寺の1つで、藩主、池田光仲が十年をかけて築造させたといわれており、江戸時代後期に京都風庭園が地方化した庭の一つである。
方丈の東南から西に低くなっている自然の傾斜を加工して造られた築山と、その麓に庭の半分を占める池が掘られている。方丈から池を望むと築山後方の斜面へ樹林が続き、奥行きのある景色を見ることができる。池には、亀島、鶴島、滝などの石組みが元禄時代のままに配置されており、楕円形の低い中ノ島が浮かべられている。庭に植えられている植物は、地元に生育する野生種をうまく用いて美しい景観が造られている。春、桜の花が咲く時期は、地域の観光スポットになっている。
観音院の本尊である「聖観世音菩薩」は、祭壇を移るたびに大きな寺の本尊となったことから、「出世観音」の別名を持っている。