粉河寺庭園(こかわでらていえん)

主として緑泥片岩に属する巨大な岩石が、多数かつ変化に富む手法で堅固に、美しく組まれた日本庭園の中でも先例のない石組みの庭園。石の間をツツジでうずめ、さらにビャクシン・シダレザクラ・ソテツなどが植えられている。


文化財種別:名勝

〒649-6531
和歌山県紀の川市粉河2787
Tel:0736-73-4830

ホームページ:www.kokawadera.org


 粉河寺は、西国巡礼の霊場の一つとして知られる。西国巡礼の道は、わが国最古の巡礼道であり、近畿・東海の2府5県にまたがる観音さまの霊場をめぐる道程である。
 庭園は本堂と山門との間に造られた桃山時代の石の庭で、山門から本堂までの高低差、約3mを結ぶ石段の両側に造られており、土留め石垣としての機能も持っている。主として緑泥片岩に属する巨大な岩石が、変化に富んだ手法で堅固に、かつ美しく組まれている。多彩に組まれた石組みの間は、刈込まれたツツジが植えられ、さらにその間にビャクシン、シダレザクラ、ソテツなどを植え飾っている。石組全体の構成は向かって左手に重点が置かれ、枯れ滝や石橋、鶴亀の島などが表現されている。
 多彩な石組みを持つ日本庭園の中でも先例のない石組みの庭園である。