文久3(1863)年に、兼六園の南に巽御殿(たつみごてん)の主庭として作庭された。 幕末から明治、昭和にかけて築山の造設や水路の作り替えなど、時代を重ねて整えられてきた。 水流を有する清邃(せいすい)で調和に優れた平庭庭園である。
文化財種別:名勝
〒920-0936
石川県金沢市兼六町1番2号
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成巽閣庭園は、特別名勝兼六園の南に隣接し、加賀藩13代前田斉泰の母、真龍院の隠居所として文久3(1863)年に造営された「巽御殿」とその主庭を築いたのが始まりである。
書院と茶室、水屋から成る「清香軒」に面する主庭「飛鶴庭」は、水が流れる清邃な平庭である。
巽御殿は、明治7(1874)年に「成巽閣」と改称され、この頃に主庭から分水して、「万年青の廊下」の縁先に面する中庭に遣水として通水させ、築山を設けて、深山幽谷の景趣を創り出した。
明治42(1909)年に、後に大正天皇となる東宮の北陸行啓をきっかけに、前庭に表門、馬車回し、玄関が整備された。また、「つくしの廊下」の縁先に面する中庭では、既存の能舞台を除却した後、主庭から続く水路を直流から緩やかな曲流に造り替え、平明な風情を創り出した。
昭和24(1949)年頃には、現在の主庭、中庭、前庭からなる成巽閣の地割りが整ったとされる。
時代を重ねて整えられてきた、水流を有する清邃で調和に優れた平庭庭園である。