築山を築き、巨石を組み、枯滝や枯池を配して石橋を架けるなど、津軽地方に伝わる大石武学流庭園の造庭技法がよく残されている庭園。作庭にあたって描かれた写生図や改庭工事を行ったことを示す碑文が園内に残されており、作庭とその後の変遷を知ることができる。
文化財種別:名勝
〒036-8384
青森県弘前市大字宮舘字宮舘沢26-2
Tel:0172-82-1642
ホームページ:http://zuirakuen.com/
宮館地区の豪農對馬氏の庭園。對馬氏は津軽藩政時代に代々大庄屋をつとめていた。
庭園の造りは、建物の南側を広くとって作庭された枯山水庭。二筋の大きな飛び石、礼拝石、手水鉢などを配置して、奥には枯滝や枯池を作り、石橋が架けられている。右(西)側背後に低い築山、左(東)側背後に小高い築山を築いて巨石を組み、その間に小さな四阿を設けて石塔を配置している。
当時の武学流造園の第一人者と言われた高橋亭山によって明治23年(1890)から15年をかけて築庭された後、昭和に入ってから門人である池田亭月と外崎亭陽が、増改庭を手がけ昭和11年(1936)に完成した。庭園右手奥、稲荷神社の鳥居前に据えられた立石の背面には、庭園の由来が記されている。また増改庭するときに描かれた図面が今も残されている。津軽地方に伝わる大石武学流の作風を伝える代表的な庭園の一つである。