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識名園(しきなえん)

旧琉球王家別邸の庭園。王族の保養や中国からの外交正使冊封使の接遇などに利用された。湧水を利用した池に2つの島を置き、3つの中国風の橋が架けられている。温帯性植物と熱帯性植物とで植物景観が作られている。池の周りを歩きながら景色の移り変わりを楽しめる廻遊式庭園。


文化財種別:特別名勝

〒902-0072
沖縄県那覇市字真地421−7
Tel:098-855-5936

ホームページ:www.city.naha.okinawa.jp/


 寛政11(1799)年までに築造された旧琉球王家の別邸の林泉庭園で、首里城の南あったことから南苑と称された。王族の保養や外交正使冊封使の接遇などに利用された。
 湧水を利用した池に2つの島を置き、3つの中国風の橋が架けられている。園の南端に「勧耕台」と称される展望台があり、広く見晴らすことができる。
 園にはマツ、ウメ、ヤナギ、サルスベリなどの温帯性植物と、フクギ、アカギ、デイゴなどの熱帯性植物が植えられ、常夏の沖縄で、四季を感じられる植物景観を作っている。
 大名庭園でみられる回遊式庭園ながら、直進しかできないマジムン(魔物)を防ぐためにS字に曲がった石畳道、中国の太湖石を模した奇岩、舟遊びの際に舟をつけた「舟揚場」など、琉球ならではの造作を見ることができる。

石垣氏庭園(いしがきしていえん)

石垣家の祖先の大浜親雲上が、首里の庭園師・城間親雲上の設計で1819年頃に築造した。主に琉球石灰岩が使われている。5つの石組みを北から南へと次第に低く築き、石橋を架け、枯れ滝を落とすなど日本庭園の様式をふまえながら、築山にソテツを植えるなど、地方色の濃い枯山水庭園。


文化財種別:名勝

〒907-0024
沖縄県石垣市新川287
Tel:0980-82-2720


 石垣市新川にある石垣家の庭園。石垣家は、琉球王朝時代に大浜間切地域の頭職を輩出した旧家。大浜間切地域は、現在の石垣島中部と西表島西部、波照間島を含む地域である。庭園の作庭年代は明らかでないが、石垣家に伝わる「庭作不審書」という造園の設計書の記載から、文政2(1819)年頃と推察されている。設計は宮良殿内庭園と同じ首里の庭園師・城間親雲上によるものとされている。
 庭園は、築山がおかれ、5つの石組みを北から南へと次第に低く築いて、枯滝を組み、石橋を架けた枯山水式の日本庭園となっている。石組みの石は、地元に産出する琉球石灰岩の自然石が使用されており、植栽にはフクギやアダンなど八重山に自生する植物が使われている。南国の雰囲気をまとった庭園である。