総門に通じる白鷺池(びゃくろち)と称する池には四季折々の自然の情景が周囲を飾り、仏殿の前にはビャクシンの古木がある。 住職の居所である方丈には妙香池(みょうこうち)と称する池を中心にした庭園があり、これらは昭和7年(1932)、国の名勝に指定された。
文化財種別:史跡・名勝
〒247-0062
神奈川県鎌倉市山ノ内409
Tel:0467-22-0478
仏殿の後背にある舎利殿の台地の下に「妙香池」と称される放生池が配置されている。この池を中心とした庭園は、建武2(1335)年に臨済宗の僧夢窓疎石によって作られたといわれている。
池は岩盤を掘って作られており、北岸の山側に波浪によって浸食されたかのように削られた岩盤、「虎頭岩」が配置されている。この庭は江戸時代初期の絵図にもとづき、平成12年(2000)、方丈裏庭園と合致した自然の姿に復元された。
明治期の横須賀線の敷設や、県道の開通によって境内の往時の形体は損なわれ、方形の広場などは、その痕跡をとどめていないが、総門の前に敷かれた線路を挟んだ踏切の向こう側には、左右対称の方池が残されている。この池は「白鷺池」、池に架かる石橋は「降魔橋」と称される。石橋はまっすぐに総門に通じており、周囲には鬱蒼としたスギの老樹が立つなど、往時の面影をとどめている。