庭園は園内に建つ江戸時代の1692年の銅碑より江戸時代初期の作庭もしくは当時の改修によるものである。 方丈(住職の居所)の背後にあり、池に鶴島と亀島を配し、蓬莱山に見立てた蓬莱石を据えた蓬莱式庭園とも呼ばれる。回春院の大覚池は創建時に境内一帯を水害から守るための調整池として造られた。
文化財種別:史跡・名勝
〒247-8525
神奈川県鎌倉市山ノ内8
Tel:0467-22-0981
建長寺は臨済宗建長寺派の本山であり、北条時頼の開基で建長5(1253)年に創建された寺である。境内は対称型様式で、仏殿の前栽に槙柏が列状に植栽されている。
書院庭園は、延宝6(1678)年の図絵に見ることができ、園内に建てられている元禄5(1692)年の銅製の碑によれば、江戸時代初期の作庭か、あるいは当時実施された改修とあわせての作庭と推察される。現在の庭は、江戸初期の図絵にもとづいて、平成15年(2003)に復元整備されたものである。庭園の造りは、東から北にかけて丘があり、丘脚部に曲線形の池が配置されている。池には鶴島と亀島が配置されており、橋が架けられていた。所々に石が据えられ、マツやマキなどの針葉樹の矮樹が植えられているほかにツツジが点植され、灯籠が据えられている。庭の周囲にはケヤキやカエデなどが鬱蒼と茂り、全体に簡素でありながら清雅の趣がある庭となっている。