石垣氏庭園(いしがきしていえん)

石垣家の祖先の大浜親雲上が、首里の庭園師・城間親雲上の設計で1819年頃に築造した。主に琉球石灰岩が使われている。5つの石組みを北から南へと次第に低く築き、石橋を架け、枯れ滝を落とすなど日本庭園の様式をふまえながら、築山にソテツを植えるなど、地方色の濃い枯山水庭園。


文化財種別:名勝

〒907-0024
沖縄県石垣市新川287
Tel:0980-82-2720


 石垣市新川にある石垣家の庭園。石垣家は、琉球王朝時代に大浜間切地域の頭職を輩出した旧家。大浜間切地域は、現在の石垣島中部と西表島西部、波照間島を含む地域である。庭園の作庭年代は明らかでないが、石垣家に伝わる「庭作不審書」という造園の設計書の記載から、文政2(1819)年頃と推察されている。設計は宮良殿内庭園と同じ首里の庭園師・城間親雲上によるものとされている。
 庭園は、築山がおかれ、5つの石組みを北から南へと次第に低く築いて、枯滝を組み、石橋を架けた枯山水式の日本庭園となっている。石組みの石は、地元に産出する琉球石灰岩の自然石が使用されており、植栽にはフクギやアダンなど八重山に自生する植物が使われている。南国の雰囲気をまとった庭園である。