竹林寺庭園(ちくりんじていえん)

竹林寺は湧水に恵まれた独立丘陵を選んで建立された。現在の竹林寺の主な建物群は、江戸時代後期に建てられたもので、庭園の池も古くからの湧水を利用して造られたものと考えられる。庭園は客殿・書院の周辺に展開し、大きく三つの部分により構成される。


文化財種別:名勝

〒781-8125
高知県高知市五台山3577
Tel:088-882-3085

ホームページ:www.chikurinji.com


 竹林寺は天平時代より前の神亀元(724)年)に行基が開創したといわれ、四国八十八ヶ所霊場のうち第31番札所の寺である。寺は湧水に恵まれた独立丘陵を選んで建立されている。現在の竹林寺の主な建物群は、江戸時代後期に建てられたものである。
 客殿の南側に面した前庭といえる空間は、もとは儀式等のために砂利だけを敷いた簡素なつくりであったものが、後に現在のような飛石と樹木が植えられたと考えられている。
 客殿の西庭は護岸を直線的な石段状にして水面を軒先近くに引き寄せて狭い水面に広がりを持たせ、水面を縁取る山裾と傾斜面の随所に景石が置かれている。
 北面から書院の西面及び北面にかけての庭園には、斜面に3段の力強い滝石組が組まれ、山裾に沿って造られた池の周囲は大振りの石で護岸されている。池は古くから、湧水を利用して造られたものと考えられている。
 門前横には高知が生んだ世界的な植物学者、牧野富太郎博士の記念館と県立牧野植物園がある。