天赦園(てんしゃえん)

宇和島城の西部に接する旧浜御殿の敷地の一部。広い池を主体とする庭園で、岬・入江・曲浦など屈曲の多い汀線で囲まれた池に一小島を置き、池辺の要所の石組には多く和泉砂岩の海石を用いている。園内には、各種多様の暖温帯性植物が植栽され、中でもタケとフジの種類が多い。


文化財種別:名勝

〒798-0065
愛媛県宇和島市天赦公園
Tel:0895-25-2709


 宇和島藩七代藩主、伊達宗紀が造った隠居所の池泉回遊式庭園で、宇和島城の西部に接する旧浜御殿の敷地の一部にある。天赦園の名は、宇和島藩初代藩主秀宗が、仙台藩主伊達政宗の長子であったことから、政宗が退隠のときに詠んだ詩の一句からとったといわれている。
 庭園は広い池を主体として、岬・入江・曲浦など屈曲の多い汀線で囲まれた池に小島を置き、池辺の要所の石組には多く和泉砂岩の海石を用いている。池の東側の園の周囲には、クロマツ、クスノキ、ウバメガシなどの常緑樹が生い茂り、園の外景を遮断している。園内にも各種多様の暖温帯性植物が植栽され、ビロウのようなヤシ科の常緑高木も庭樹として用いられている。園内に植えられた植物の中でもタケとフジは種類が多く、天赦園独特の風致を生み出している。