日本の近代彫刻界の巨匠である朝倉文夫の住居兼アトリエ。創作活動と後進指導の場として使い続けたアトリエ棟には屋上庭園があり、昭和初期における鉄筋コンクリート建築の屋上緑化の事例として貴重である。建物を含む敷地全体が国の名勝に指定されている。
文化財種別:名勝
〒110-0001
東京都台東区谷中7−18−10
Tel:03-3821-4549
日本の近代彫刻界の巨匠・朝倉文夫のアトリエを兼ねた邸宅の庭で、東京谷中の住宅街の一角にある。朝倉文夫が亡くなる昭和39(1964)年まで自らの創作活動と後進指導の場として使い続けた。
昭和10(1935)年の改築によって、現在みられる鉄筋コンクリート造のアトリエ棟や木造の住居棟などの建物が形づくられた。四方を建築物に囲まれた中庭は南北約10m、東西約14mの空間で、その大半を池(水面)が占めている。随所に各地より取り寄せた石が配され、春はウツギ、秋はモミジなどが楽しめ、多彩な景石と植木とで濃密な水景を創りあげている。また、アトリエ棟の屋上庭園は、昭和初期に建てられた鉄筋コンクリート建築の屋上緑化の事例として貴重である。
当時屋上は、朝倉文夫が自邸とアトリエにおいて開いた「朝倉彫塑塾」の塾生が蔬菜を栽培しており、日常的な園芸実習の場として使われていた。