殿ヶ谷戸庭園(隨冝園)(とのがやとていえん)(ずいぎえん)

国分寺崖線の南側斜面を利用し、その縁辺部の湧水と斜面部の雑木林など豊かな自然環境を巧みに生かした近代の郊外別荘。 園内の「次郎弁天の池」は東京都名湧水57選にも選ばれている。 2011年に国の名勝に指定された。


文化財種別:名勝

〒185-0021
東京都国分寺市南町2-16
Tel:042-324-7991

ホームページ:teien.tokyo-park.or.jp/contents/index036.html


 武蔵野台地の南縁を成す東西方向の段丘崖は「国分寺崖線」と呼ばれ、随所に小さな谷戸が段丘を刻み、ハケと呼ばれる崖線の下端部付近の礫層から湧出する湧水がある。殿ヶ谷戸庭園は、崖線の地形と湧水を利用し、武蔵野を代表するアカマツ・クヌギ等から成る雑木林の風致を生かして造られた近代の別荘庭園である。敷地は、南に張り出す台地の東辺にあり、高低差が10m以上ある崖線の傾斜地を挟んで、台地上の平坦地から下方の湧水地へと及ぶ。
 庭園は、門から主屋西側の玄関前の馬車回しへと通ずる導入路馬車道、主屋の南東面、台地上に広く展開する芝生地の洋風庭園、アカマツやモミジ、竹林などの樹林とクマザサに覆われた崖線斜面、崖線下の湧水を利用して造成した次郎弁天池を中心とする和風庭園の四つで構成され、それぞれ道・石段・延段などによって結ばれている。