旧芝離宮庭園(きゅうしばりきゅうていえん)

小石川後楽園と共に、江戸初期の大名庭園の一つ。 元禄年間、小田原藩主大久保氏の上屋敷経営にともなって作庭される。 のちに清水家、紀州徳川家と伝わり、明治8年宮内省の所管に移り、翌9年芝離宮となった。 1979年に文化財保護法による国の名勝に指定された。


文化財種別:名勝

〒105-0022
東京都港区海岸1−4−1
Tel:03-3434-4029

ホームページ:teien.tokyo-park.or.jp/contents/index029.html


 江戸時代延宝6(1678)年に、当時の小田原藩主であった老中・大久保忠朝が、徳川家から海を埋め立てた土地を拝領する。元禄年間に入り、その土地に上屋敷を構えるのに伴って作庭された。屋敷を建てるために小田原から庭師を招いて庭を造り、当時は「楽寿園」と称した。幕末から明治初期にかけて所有者を数度変えたのち、明治8(1875)年に宮内省の所管となり、翌9年には「芝離宮」となった。
 庭園の主体は、岬や入り江などがある曲がりくねった汀線をもつ広い池で、池の中央の島に東西に橋を架けるなど、中島の蓬莱石組、築山の配置、石の組み方、橋の架け方など、古くから伝わる作庭の手法を残している。
 江戸時代に造られた、大名庭の作庭技法が見られる優れた庭園の一つ。